「そんな力、知らない」


先に口を開いたのは紛れも無く自分自身だった。

冷え切った身体を抱きすくめ、歯をがちがちと鳴らしながら冷ややかな目で彼女を見つめた。

「私の苦しみなど、分かるはずが無い。死ねない痛みを」

彼女はため息混じりに一気にそう返すと、小さな炎を右手に点し、私の隣に胡座をかいて座った。





【不老不死】

誰もが一度は聞いたことのある単語であろう。

普通ならば仙人にならねば得られぬ能力だが、彼女は普通の人間にしてその能力と火を操る能力を兼ね備えている。

いかにして手に入れたのかは不明であるが、どっちにしろ自分には興味の無い話題で止まってしまった。

人の人生など一切見向きもせず生きてきた自分にこの課題に向き合うのは、一生に一度の大変なる苦悩。苦い青虫を五匹程奥歯で噛み締める程の精神的な苦痛である。





「暖かいか?」

先程冷たく接したというのに、彼女―妹紅は表情一つ変えずただひたすらに優しかった。

「噂とは少しズレがあるのね」

―優しいけれどもあまり喋らず、用が済んだらすぐに何処かに帰ってしまう―

「そうか、そう言われてるのか。自分の話を聞くと変な気持ちになるな」

苦笑いを浮かべて尚も暖め続けてる彼女を見て私は少しにやけてしまった。

竹林に囲まれて何してるんだか…

じりじりと燃える小さな炎を見て、初めて人の人生を知りたくなってきた。

「面白いな、妹紅」

何が?と尋ねられたが別にと返して夜空にぽっかり浮かぶ月を見上げた。









―――――――――――

初東方
初妹紅
超短い文ですみません><